今回はお腹が張ってつらいという方へ朗報です。
胃腸薬ビオフェルミン製薬の調査によると、約3割の女性が日常的にお腹の張りに悩んでいるそうです。
お腹が張る原因は便秘や、腸内のガスなど様々で、食後でも無いのに痛みが続く場合や横になって休めない場合は、病院を受診することが望ましいとされています。
今回はそんな気分的にも見た目も不快なお腹の張りに対して、鍼治療が効果的であったという最新研究を紹介したいと思います。
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鍼治療は、慢性胃炎、消化不良、胃下垂による腹部膨満の緩和に効果的です。広東陽江人民病院の研究者は臨床試験を実施し、原因に応じた3つの別々の治療プロトコルが効果的であると判断しました。
研究者は以下の研究デザインを使用しました。患者のサンプルは、病院に入院した80例で構成されていました。患者はランダムに2つのグループに分けられました。
投薬観察群では、27人が男性、13人が女性でした。年齢範囲は18歳から69歳で、平均年齢は49.38±7.71歳でした。疾患の経過は1ヶ月から8年であり、平均疾患経過は2.37±0.85年でした:17例は慢性胃炎、15例は消化不良、8例は胃下垂でした。
灸頭鍼治療群では、25人が男性、15人が女性でした。年齢範囲は25〜75歳で、平均年齢は52.22±8.04歳でした。疾患の経過は3ヶ月から10年であり、平均疾患経過は2.55±0.80年でした:20例は慢性胃炎、13例は消化不良、7例は胃下垂でした。
投薬観察グループは、20 mgのラベプラゾールナトリウム腸溶性コーティング錠(胃酸分泌阻害剤)を毎日、および1つ追加の医薬品を受け取ります。患者は14日間の治療を受けました。他のグループは灸頭鍼治療群を受けましたが、投薬を受けませんでした。
消化不良の患者のために、以下の尖点が選ばれました
ST36(足三里)
CV12(中脘)
PC6(内関)
LR3(太衝)
BL21(胃兪)
ST25(天枢)
ST21(梁門)
慢性胃炎については、以下の点が選択されました。
ST36(足三里)
CV12(中脘)
PC6(内関)
BL20(脾兪)
BL21(胃兪)
SP6(三陰交)
CV4(関元)
胃下垂については、以下の点が選択されました。
ST36(足三里)
CV12(中脘)
CV13(上脘)
BL21(胃兪)
ST25(天枢)
CV6(気海)
GV20(百会)
ほとんどの治療は仰臥位で行われました。
十分な感覚が得られた後、鍼は30分間刺鍼されました。モグサ(長さ2cm)を鍼の先に接続しました。治療は14日間行われました。症状はスコアリングシステムを使用して、治療結果を記録および評価しました。システムは3つのレベルを使用しました
レベル1:10〜28ポイント
レベル2:28〜56ポイント
レベル3:56ポイント以上
治療が完了すると、鍼治療グループのスコアは36.07±5.80から11.72±3.60に大幅に減少しましたが、投薬観察のグループのスコアは34.73±5.17からと25.08±5.51にわずかな改善を示しました。
数値の減少は、腹部膨満の減少に比例します。この研究は、灸頭鍼治療が慢性胃炎、消化不良、胃下垂によって引き起こされる腹部膨満の効果的な治療プロトコルであることを示しています。
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最初に紹介したとおり、お腹の張りでお困りの方は数多くいます。
お腹の調子が悪くてお腹が張る。薬に頼る程でもないし、相談しづらいという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんなお腹の張りに対する鍼治療の最新研究をご紹介しました。
お腹の張りでお困りの方はぜひお近くの鍼灸院を尋ねるなどして、つらい生活から開放されることを願っております。
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