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鍼灸治療がアルコール依存症、それに伴ううつ病に効果的

Posted by 鍼灸ニュース on May 21, 2021 7:00:00 AM

日本におけるアルコール依存症の疑いのある人は440万人、治療の必要なアルコール依存症の患者さんは80万人いると推計されています。(厚生労働省ホームページより抜粋)

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_alcohol.html

厚生労働省は「多量飲酒」の定義を「1日平均アルコール量60gを超える飲酒」とし、酒に含まれる純アルコール量60gとは、500mlの缶ビール3本、日本酒3合弱、25度焼酎300mlに相当します。

今回そんなアルコール依存症、それに伴ううつ病に対してはり治療が効果的であったという研究を紹介したいと思います。

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鍼治療は、アルコール依存症、それに関連するうつ病を軽減します。河南省漢方医学研究所の提携病院の研究者は、ハミルトンうつ病評価尺度(HAMD)と視覚的アナログ尺度(VAS)を使用して、アルコール依存とうつ病レベルの変化を測定する対照臨床試験を実施しました。あるグループは、中医学(TCM)の心理療法を受けました。別のグループは、TCMの心理療法と鍼治療を受けました。結果は、鍼治療とTCM心理療法の組み合わせの方が、アルコール依存症の軽減とうつ病の緩和に効果的でした。

アルコール依存症は深刻な身体的および心理的問題であり、アルコール依存症の人の約70%がさまざまな程度のうつ病に苦しんでいると推定されています。アルコール依存症になる多くの人々は、しばしば自信の喪失と低い自尊心につながります。アルコール依存症の患者は一旦治療したように見えても再発を繰り返すため、治療困難な症状です。

中医学(TCM)の理論によると、不安定な心理状態は病気の主な原因であり、気の停滞と陰陽の不調和につながります。治療の主な原則は、感情を和らげ、ツボを温めて気の通りを良くし、陰と陽の調和を取り戻すことです。

 

デザイン

 この研究では、合計85人の参加者が採用され、対照群(n = 42)または鍼治療群(n = 43)のいずれかにランダムに割り当てられました。対照群は、33〜64歳の男性31人と女性11人で構成されていました。彼らの飲酒歴は10〜39年で、平均期間は24.7年でした。対照群の参加者は、TCMの原則に基づいて、心理療法を受けるように割り当てられました。

観察グループは、34〜65歳の男性32人と女性11人で構成されていました。彼らの飲酒歴は10〜40年で、平均期間は25、1年でした。観察グループの参加者は、TCMの心理療法と鍼治療の両方を受けるように割り当てられました。

この研究の選択基準には、世界保健機関(WHO)の基準に従ったアルコール依存症の診断が含まれていました(例:毎日の飲酒、飲酒への強い欲求または強迫、アルコール使用の管理の難しさ、高いアルコール耐性、生理的禁断症状)。除外基準には、神経障害、深刻な心臓、脳、肝臓、または腎臓病を伴うコミュニケーションの問題、および研究を終了できない人が含まれていました。

 

鍼治療について

 週に2回鍼治療を受けました。 8回の治療で1つのコースを構成し、合計3つのコースが実施されました。以下のツボが研究のために選択されました。

百会(GV20)

内関(PC6)

足三里(ST36)

鍼を内関穴に挿入し、バランスの取れた補強還元技術を使用して操作し、得気を得ました。鍼は30分間置鍼され、15分後に1回手技にて刺激されました。足三里では灸が施されました。

百会は心をクリアにして落ち着かせる能力があります。陰陽の入り口である内関穴は、すべての陰のチャネルを接続し、あらゆる感​​情障害の治療における重要なポイントです。これらのポイントは全身の陰と陽を調和する効果があります。足三里への灸は全身を温める能力があります。

 

結果と考察

 結果は、ハミルトンうつ病評価尺度(HAMD)を使用して測定されました。 HAMDは17項目の尺度で構成されており、各項目は抑うつ症状の重症度に応じて0〜4の範囲で評価されます。全体的なスコアが0〜7の場合は正常と見なされ、スコアが20以上の場合は、少なくとも中程度のうつ病を示します。介入前の平均HAMDスコアは、対照群で35.7、鍼治療群で36.0でした。 3週間後、スコアは両方のグループで改善し、それぞれ対照群28.5、鍼治療群24.0に減少しました。 9週間後、スコアはそれぞれ16.9と11.5にさらに低下し、鍼治療グループで抑うつ症状の大きな減少を示しました(p <0.05)。 [1]

視覚的アナログ尺度(VAS)を使用して、研究前後のアルコール欲求の重症度を計測しました。参加者は0から10のスケールでアルコールへの欲求を自己評価しました。彼らは3分間、アルコールの欲求を誘発するように設計された環境にさらされました。

治療開始前、対照群の平均VASスコアは誘発前は6.7、誘発後は6.0でした。鍼治療群の平均VASスコアは、誘発前と誘発後6.2であり、2つの群間に有意差はありませんでした(p> 0.05)。

治療終了後、対照群の平均VASスコアは誘発前に4.9、誘発後に6.5でした。鍼治療群の平均VASスコアはそれぞれ2.7と3.1で有意に低く(p <0.05)、鍼治療後のアルコール渇望の減少を示しています。

 この研究結果は、心理療法と組み合わせた鍼治療が、うつ病の症状を効果的に軽減し、アルコール依存症患者のアルコール欲求を軽減することを示しています。また患者のコンプライアンス改善に役立つ可能性があり、さらなる研究が望まれます。

 

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https://www.healthcmi.com/Acupuncture-Continuing-Education-News/1884-acupuncture-for-alcoholism-confirmed

 

 厚生労働省研究班の推計によると、アルコールの飲み過ぎによる社会的損失は年間41483億円に達するそうです。 

アルコール依存症は繰り返し飲酒することによって、臓器障害や、生活習慣病など体に負担がかかるだけで無く、不眠、上手く喋れない、そして今回紹介したうつ病のように社会生活にも大きな支障をきたすことになります。

また家族にアルコール依存症の人がいる場合、本人一人だけの問題では無く家族全体の問題となることが多いです。

鍼灸はアルコールのみならず、薬物、タバコ、ギャンブルなど様々な依存症に効果があるとされています。

依存症でお困りの方は、ぜひ一度鍼灸師の先生に相談してみるといいでしょう。

 

りょうたくん

written by 村中僚太(鍼灸師・ケアマネージャー)
 国立大学法人筑波技術大学卒後、臨床研修卒。「医道の日本」、全日本鍼灸学会誌等へ論文を掲載。英国SPA会社Steinerにて豪華客船鍼灸師として勤務、優秀なクルーに送られる「Moment that matter]受賞。5年で約4,000人の治療を担当。 訪れた国は50以上、200都市を超える。 現在はジョージアにて「日本鍼灸を海外へ」をテーマに鍼灸院を開業。

Topics: 鍼灸, 治療, うつ病, アルコール依存症

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