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産後うつに対して鍼治療が効果的〜海外の最新研究より〜

Posted by 鍼灸ニュース on Jan 15, 2021 7:00:00 AM

2014年から2016年にかけて死亡した妊産婦の割合は、がんや、心疾患などを上回り、『自殺』が最も多かったことが国立成育医療研究センター研究所の発表より明らかになりました。

日本産婦人科医会の発表によると、『産後うつ』になる人の割合は10人に1人程度とされており、症状としては

  • 気分の落ち込みや浮き沈みが激しくなる
  • 感情を抑えきれず、突然泣き出したりしてしまう
  • 自分の子供を可愛いと感じない
  • 食欲減退
  • 睡眠障害
  • 過食拒食

などがあげられます。

マタニティブルーと呼ばれる妊娠中、産後直後に見られる感情障害が通常1〜2週間で収まるのに比べ、産後うつは長期に及ぶことが多いとされています。

産後うつの原因は今のところはっきりとはわかっていませんが、産後女性の体に起こるホルモンバランスの変化や、赤ちゃんをケアするため睡眠不足等に陥り、その結果起こる自律神経の乱れなどが原因というふうに言われています。

赤ちゃんが産まれ、幸せな生活が始まると楽しみにしていたのに、体調が優れず、つらく、しんどさや、寂しい気持ちを感じたり、そう感じてしまうことに罪悪感を感じてしまうなど悪循環に陥りやすいのも特徴です。

今回そんな産後うつに関して、『鍼治療』が効果的であるという海外の最新レポートをご紹介させていただきます。

 

〜〜〜〜〜

 鍼治療は産後うつ病を緩和します。

中国海南省の伝統医学病院によって行われた最近の研究では、鍼治療は産後うつに関して安全で効果的であることがわかりました。この研究では、産後うつ病と診断された80人の女性を対象に、標準治療群(カウンセリングと漢方治療)と標準治療に鍼治療を組み合わせた群と比較しました。

標準治療群は67.5%の有効率を測定しましたが、鍼治療を追加した群では90%もの有効率を測定しました。

この研究対象の女性は22〜43歳で、平均年齢は30.44歳でした。彼らは3〜15か月間うつ病に苦しんでおり、平均罹患期間は5.06か月でした。産後うつ病の診断基準を満たすことに加えて、18以上のHAMD-17(ハミルトンうつ病評価尺度)スコアを基準とし産後うつと診断しました。

 

治療プロトコル

 すべての女性はカウンセリング、漢方治療を含む標準治療を受けました。患者は6gの加味逍遙散、逍遙丸の漢方を1日2回服用しました。カウンセリングは、週一回のマンツーマンカウンセリング、産後の健康、産後うつ病に関する患者教育、不安とうつ病に対処するためのアドバイス、うつを克服するマインドセット、および支援的な家庭環境を構築するための家族教育で構成されていました。

鍼治療群に割り当てられた群は中医学的な診断により、「造血を促し、心臓に栄養を与える」目的で治療を受けました。分娩中の失血による不安は、心臓や脾臓の気や血液にダメージを与え、気分の停滞につながります。

鍼治療は以下の経穴で行われました:

心兪(BL15)

脾兪(BL20)

関元(CV4)

血海(SP10)

足三里(ST36)

三陰交(SP6)

神門(HT7)

百会(GV20)

鍼は0.5〜0.8㎝の深さまで挿入され、特気を得た後に鍼通電療法を使用し、鍼は約30分間置鍼されました。鍼治療は週6日、合計12週間行われました。

 

結果

 この研究の結果の尺度には、HAMD-17スケール、および各治療群の総有効率が含まれていました。 HAMD-17はうつ病の身体的症状と心理的症状の両方を評価する17項目の尺度です。各症状はそのスコアに従って評価され、スコアが高いほどうつの重症化を示します。 HAMD-17スコア7〜17はうつ病の可能性を示し、スコア17〜24はうつ病を示し、スコア24以上は重度のうつ病を示します。治療前の平均HAMD-17スコアは、標準治療群で28.44、鍼治療群で29.28と測定されました。これらのスコアは、治療後にそれぞれ対照群14.13と9.09に低下しました。両方のグループが大幅な改善を記録しましたが、改善は鍼治療群で有意に大きい結果となりました。(p <0.05)。

標準治療群、鍼治療群の有効率についても計算されました。症状の明らかな改善と75%以上のHAMD-17スコアの低下を示した患者は治癒したと分類されました。

症状の明らかな改善と50〜75%のHAMD-17スコアの低下を示した患者は、著しく効果的であると分類されました。

症状の改善とHAMD-17スコアの25〜50%の低下を示した患者は、有効と分類されました。

症状の明らかな改善が見られず、HAMD-17スコアが25%未満低下した患者は、効果がないと分類されました。

標準治療群では、8例が治癒し、10例が著しく有効、9例が有効、13例が無効であり、治療後の総有効率は67.5%でした。

鍼治療群は、11例が治癒し、18例が著しく有効で、7例が有効で、4例が無効であり、治療後の総有効率が90%でした。

2つのグループ間の合計有効率の差は統計的に有意です(p <0.05)。

この研究結果は、鍼治療が産後うつ病の有用な治療法の一つであり、カウンセリングと漢方治療の効果を大幅に高めることを示しています。

 

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https://www.healthcmi.com/Acupuncture-Continuing-Education-News/1979-acupuncture-postpartum-depression-sucess

 

 産後うつは抱え込んだり、放置すると母親に大きな負担がかかるだけでなく、家族や子育て、夫婦関係に影響を与えることにもなります。

よって産後うつは母親一人の問題では無く、家族全体の問題です。 

産後うつは治療が必要な心の病気です。専門医にかかることや服薬も重要ですが、今回の最新の研究で明らかになったように鍼灸治療がとても有効です。

一人で悩まずに早めに周りの家族や友人、そして鍼灸師の先生に相談してみるといいでしょう。

 

 

りょうたくん

written by 村中僚太(鍼灸師・ケアマネージャー)
 国立大学法人筑波技術大学卒後、臨床研修卒。「医道の日本」、全日本鍼灸学会誌等へ論文を掲載。英国SPA会社Steinerにて豪華客船鍼灸師として勤務、優秀なクルーに送られる「Moment that matter]受賞。5年で約4,000人の治療を担当。 訪れた国は50以上、200都市を超える。 現在はジョージアにて「日本鍼灸を海外へ」をテーマに鍼灸院を開業。

Topics: 鍼灸, 治療, 産後うつ

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