失語症とは
脳の言語領域が
脳卒中や外傷などにより、
傷つくことにより、
言葉がうまく使えなくなる
状態をいいます。
失語症というのは、
「話す」だけでなく、
「聞く」
「読む」
「書く」
など様々なところに
支障がでてきます。
これは言語領域のある
左側(大半の人)の
傷ついた場所によって
障害の程度が異なってきます。
失語症を分類すると
以下の通りです。
①ブローカー失語(運動性失語)
聞いたことを理解はできるが
なめらかに
うまく話すことができないタイプ
②ウェルニッケ失語(感覚性失語)
なめらかに言葉を発するが、
聞いていることを理解できないため、
言葉の間違いが多くなるタイプ
③健忘失語
聞いて理解はできるものの、
物の名前が出にくく、
回りくどい話し方になるタイプ
④全失語
重度の障害のさいにみられるもので、
「聞く・話す・読む・書く」
すべてに支障が出るタイプ。
このように、
障害の重さや部位によって
症状の現れ方にも
違いがみられるのが特徴です。
以前にも何度か
脳卒中に鍼灸が効果があるという記事を
ご紹介していますが、
今回は
脳卒中後の失語症が
鍼灸と投薬によって
大幅に改善するという記事を
ご紹介します。
〜〜〜〜〜
1週間以内に脳卒中を起こした患者を、4つのグループに分けて行われました。
すべてのグループで言語リハビリ治療が実施され、それぞれ追加の治療が行われました。
グループA:対照グループ、言語のリハビリのみ行う
グループB:ドネペジル(認知症治療薬)の投薬治療を行う
グループC:頭皮と身体に鍼灸の治療を行う
グループD:ドネペジルの投薬に加えて頭皮と身体に鍼灸の治療を行う
4週間の治療の結果の効果率は以下のようになりました。
グループA:28%
グループB:50%
グループC:46%
グループD:77%
このことから、脳卒中には鍼灸と投薬の治療の効果はほぼ同じであるが、鍼灸と投薬を組み合わせることによって治療の効果が大幅に増大することがわかりました。
〜〜〜〜〜
今回の研究も
投薬治療とあわせて治療することで
効果を上げているようです。
投薬だけではなく、
鍼灸だけでもない。
このような併用治療で
少しでも治療の効果が上がると
今後の医療に
鍼灸の位置づけが確立してくる
期待が高まります。
多くの方が、
脳卒中後の後遺症で
障害を残した状態で
生活を送っています。
1人でも多くの患者の
QOLが向上するように、
今後、
より多くの患者に
鍼灸が提供される世界に
なるといいですね。
引用:Health CMI 2016年9月9日
http://www.healthcmi.com/Acupuncture-Continuing-Education-News/1677-acupuncture-rivals-drug-therapy-for-aphasia-recovery-after-stroke
ーーーーー
上記グループCとDで使用されたツボは以下の通りです。
REN23 (Lianquan):廉泉
DU24 (Shenting):神庭
DU20 (Baihui):百会
DU15 (Yamen):あ門
Extra Point Laoguan:労宮
HT5 (Tongli):通里
KD1 (Youngquan):涌泉
Leave Comment